Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

カカラ・ピタ
Kakara pitha
カカラ・ピタの材料と製法
揚げ菓子 / インド・オディシャ

カカラ・ピタ(Kakara pitha)は、甘い具を生地で包んで揚げる、オディシャ州のピタです。外側に揚げ色が付き、割るとココナッツや乳の具が現れます。祭りに作られ、神々への供物にもなる菓子です。

丸く揚げたカカラ・ピタと断面。2021年撮影、Subhransuphotography/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。配信元縮小版、取得後の内容変更なし。
穀物の皮と甘い具
セモリナ粉を熱湯に加えて混ぜ、少し冷ましてからこねる作り方があります。具には、削ったココナッツとジャグリーを火にかけて水分を減らし、カルダモンや黒こしょうを合わせます。生地を平たくして具を包み、閉じ目を整えて揚げると、外側が香ばしくなります。包む前に具の水分を減らすことで、生地の中に収まりやすくなります。

具にはチェナを加える例もあり、オディシャの雑穀振興事業が紹介するレシピでは、セモリナにラギ粉を合わせた生地でココナッツを包みます。小麦粉を使うものもあり、ひとつの粉や具だけに決まる菓子ではありません。米粉を使うチャウラ・カカラでは、湯で火を通した粉を温かいうちにこね、ココナッツとジャグリーの具を包んで揚げます。

祭りと家族の台所
オディシャでは農作業の節目と結び付く祭りに、さまざまなピタが作られます。カカラもその食卓に並ぶ揚げ菓子の一つです。料理家スウェタ・ビスワルは、ラクシュミー女神を迎える冬の木曜日、母と祖母が供え物のために米粉をこねていた朝を覚えています。学校が休みの日には、そのそばでピタ作りを手伝いました。別の書き手ソウミャ・ガヤトリは、母が祭りにチェナ入りのカカラを何度かに分けて揚げ、冷やしておいたことを覚えています。午後になるとこっそり食べに行き、鍋から上がった温かいものも楽しみました。
プリーのジャガンナート寺院の儀礼の紹介にも、夕方に供える食べ物の一つとしてカカラの名が挙がります。家庭の品と寺院の供物はそれぞれに作り方を持ちます。ブバネシュワルでは朝食として扱う店もあり、祭り以外にも食べられます。デリーのオディシャ料理店で食べた人は、セモリナ粉を使った一品について、中はほのかに甘く、外はかりっとして白ごまが香ったと書いています。
用語解説
- ピタ
- 南アジア東部で作られる、穀物の粉などを使った菓子や軽食。
- チェナ
- 凝固させた乳から水分を切った固形分。
- ラギ
- シコクビエのこと。
- ジャグリー
- サトウキビやヤシの樹液を煮詰めた甘味料。
- スウェタ・ビスワル
- 家庭の作り方を紹介する料理家。
- ソウミャ・ガヤトリ
- 菓子と祭りについて紹介する書き手。
- ラクシュミー
- 富や豊穣に結びつくヒンドゥー教の女神。
- ジャガンナート
- オディシャで信仰される神格。







