Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

甘いイリムシク
Sweet irimshik
甘いイリムシクの材料と製法
デザート / カザフスタン、カザフ文化圏

イリムシク(İrımşık)は、乳を凝固させて作るカザフの乳製品です。白くやわらかなものと、長く煮て赤みを帯びたものがあり、後者にはほのかな甘さがあります。砂糖を加えた菓子のほかに、乳を煮詰める中で生まれる甘みを楽しむ食べ方もあります。

白い凝乳と赤い凝乳
乳を温め、発酵乳や凝乳酵素を加えると、固形分とホエーに分かれます。赤いイリムシクの一例では、そのまま弱火で長く煮て水分を減らし、色と味を深めます。さらに水分を切って乾かすと、持ち運びや保存に向く形になります。

カザフスタンやアルタイの乳加工を扱った記録では、白いものと赤みのあるものを同じ乳とアイランから作り、加熱時間によって区別しています。どこまで煮て水分を減らすかによって、色も硬さも変わります。
茶の席と祝いの甘味
イリムシクは茶とともに食べるほか、バターや穀物の粉と合わせることもあります。ロシア・オレンブルク州に暮らすカザフの作り方を記録した文化資料には、煮詰めた乳の固形分を押し固めて切り、サワークリームと食べたり、ジェントの甘みに加えたりする例があります。

ジェントは炒った粟に乳製品やバター、蜂蜜などを合わせる甘味です。東カザフスタンの食文化紹介では、子どもの誕生や初めて揺りかごに寝かせる祝いの席で、茶とともに供す例が挙げられています。乳から作った一品を穀物や油脂と合わせ、祝いの食卓にも供します。
用語解説
- ホエー
- 乳を凝固させ、固形分を分けた後に残る液体。
- アイラン
- 発酵乳を使う飲みものや乳製品の呼び名。







