Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

クラガ
Kulaga
麦芽が生む甘さ
デザート / ベラルーシ・ロシア

クラガは、穀物と果実をゆっくり加熱して作る、酸味と甘みのあるとろりとした料理です。ベラルーシやロシアなどに伝わり、穀物の粉を使います。果実を煮て粉でとろみをつけるものと、ライ麦の麦芽を使うものでは、同じ名前でも作り方が大きく異なります。
麦芽が生む甘さ
ロシアの料理書には、ライ麦麦芽を熱湯で溶いて置き、ライ麦粉を加える作り方があります。冷めたところにパンを入れて酸味が出るまで置き、あればカリーナの実を加えて窯でゆっくり加熱し、冷まして食べます。麦芽は発芽させた穀物で、その酵素が穀物のでんぷんを糖に変える働きを持ちます。この作り方では、砂糖を使わなくても穀物から甘みを引き出せます。
パンを加えて酸味を出す工程と、麦芽によって甘みが生まれる工程は別の働きです。温度や時間で仕上がりは変わり、果実の酸味が加われば、穀物だけでは得られない味になります。カリーナは赤い実をつけるガマズミの仲間で、加えるかどうかもレシピによります。
ロシア料理の歴史を扱う1990年の書物には、中央ロシアで湯を加えたライ麦粉と果実を合わせ、窯で加熱する料理をクラガと呼んだという記述もあります。ここでは麦芽は挙げられていません。穀物と果実を合わせる料理にも、材料や工程の違いがあります。
ベリーを煮て、粉でとろみを付ける
1993年刊のベラルーシ料理書には、野生のベリーを水で煮て、蜂蜜または砂糖とライ麦粉を加えるクラガが載っています。イチゴ、ビルベリー、ラズベリー、コケモモなど、その時にある果実を使う一例です。パンケーキやパン、牛乳などを別に添えると書かれています。

麦芽の甘みを生かすものも、森で採れる実の酸味を生かすものも、クラガと呼ばれています。
用語解説
- 麦芽
- 穀物を発芽させ、乾燥させたもの。でんぷんを糖に変える酵素を含む。
- カリーナ
- 東欧などで食用にも用いるガマズミ類の赤い果実。







