Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ベルガモット・ド・ナンシー
Bergamote de Nancy
ベルガモット・ド・ナンシーの材料と製法
砂糖菓子 / フランス・ナンシー

ベルガモット・ド・ナンシー(Bergamote de Nancy)は、フランス東部ロレーヌ地方のナンシーで知られる、ベルガモットの香りをつけた飴です。飴は琥珀色の薄い小さな四角形で、透き通っています。口の中でゆっくり溶けるにつれて、柑橘の香りが広がります。
精油を加えて薄い飴にする
ベルガモットは香りのよい柑橘で、紅茶の香りづけにも使われます。飴には果肉を混ぜるのではなく、精油を加えます。保護地理的表示、IGPの2020年の仕様書では、砂糖とグルコースシロップを水に溶かし、直火で煮詰めます。火から下ろして精油を素早く混ぜ、台の上で冷ましながら薄く広げ、小さな四角に切ります。かき混ぜすぎると砂糖が早く結晶化するため、精油を混ぜる手つきにも注意が必要です。

直火で煮詰めた糖液は、冷えるとガラスのように硬く、割れやすくなります。琥珀色もこの加熱によって生まれます。仕様書では、飴を1粒ずつ透明な包装で包みます。湿気を防ぎ、飴同士がくっつくのを避けるためです。缶や箱にはナンシーのスタニスラス広場を描いたものもあり、1909年の博覧会で紹介された飴とともに、町を伝える姿となりました。

古い香り菓子の記録と地域の表示
ベルガモットの香りをつけた砂糖菓子には、現在の飴より古い記録があります。ナンシーの菓子店ルフェーヴル家の歴史解説によると、1803年にパリで出版された菓子職人マシェの本には、ベルガモットで香りをつけた砂糖菓子の作り方が載っています。ロレーヌ宮廷に結びつける説もありますが、古い香り菓子の記録だけでは、今のナンシーの飴がいつ、どのように定まったかは分かりません。
IGPは1996年に登録されました。2020年の仕様では、製造と個包装をロレーヌの4県の区域内で行い、原料をたどれるようにします。ナンシーという名前は、この飴を作る土地の技術と評判を表しています。
用語解説
- ベルガモット
- 香りのよい柑橘。果皮から得る精油は菓子や飲料の香りづけに使われる。
- IGP
- 保護地理的表示。特定の地域と品質や評判の結びつきを保護する欧州の制度。
- グルコースシロップ
- でんぷんから作る糖のシロップ。煮詰める砂糖菓子にも使われる。
- マシェ
- 1803年にパリで製菓書を出版した菓子職人。







