Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

アシーダ
Asida
粉を練って形にする
デザート / イエメン、アラビア半島など

アシーダは、熱い粉を力強く練り、つやのある山に整えた穀物料理です。イエメンやアラビア半島、アフリカの各地で食べられます。蜂蜜と溶かしたバターを添えれば甘い一皿になり、肉の汁を合わせる食事の形もあります。
粉を練って形にする
小麦粉を熱い湯に加えてかき混ぜ、まとまった生地を木べらで滑らかになるまで練ります。イエメンの一例では、いったん水を加えてさらに火を通し、もう一度練ってから皿に丸く置きます。中央にくぼみを作り、蜂蜜とギーを添えれば、穀物の素朴な味に甘さと乳脂肪の香りが重なります。


湯に粉を加えるとでんぷんが水を吸って粘りを持ちます。十分に混ぜることで粉の塊を減らし、一体感のある生地に整えます。全粒粉や他の穀物を使う例もあり、材料によって色や風味は変わります。
同じアシーダでも、食卓では甘味だけを指すとは限りません。イエメンの料理を伝える家庭の記録には、塩味の料理を添え、家族で囲んだ思い出もあります。蜂蜜を添えるものも食事としてのものも、粉を練るところから始まります。スーダン料理を紹介する Sudanese Kitchen の一例では、モロコシの粉に水とヨーグルトを混ぜて一晩発酵させ、湯で炊いて冷まします。固まったアシーダの周りに、ムッラーと呼ばれる煮込みを注いで供します。
山地で使う道具と祝いの一皿
雑誌「Folk Culture」が紹介するイエメン山地の作り方では、枝分かれした木の棒「マルバシャ」で乳と粉を混ぜ、とろみが強くなると、先の太い「ミフワーシュ」に持ち替えてさらに練ります。料理の硬さによっては最初の棒だけで仕上げることもあります。
同誌は、イブ県のアルカフル高地の村々に伝わる「シャジュール」も紹介しています。全乳と細かい小麦粉を使い、練った生地の小さな塊を乳に戻してから、とろみがつくまで火を通す料理です。少量の砂糖と塩で味を調え、仕上げに中央のくぼみへギーと蜂蜜を注ぎます。特別な機会に作る一品として記されており、粉を湯で練る皿とは材料も作り方も異なります。
用語解説
- マルバシャ
- イエメンの山地で乳と粉を混ぜる枝分かれした木の棒。
- ミフワーシュ
- 先が太く、とろみの強い生地を練る木の道具。
- シャジュール
- イエメンの山地で乳と小麦粉を練って作る料理。
- ギー
- バターから水分などを除いた油脂。香りを添えるために使う。







