Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

バリーガス・デ・フレイラ
Barrigas de freira
バリーガス・デ・フレイラの材料と製法
デザート / ポルトガル、修道院菓子の伝統

バリーガス・デ・フレイラ(Barrigas de freira)は、「修道女のおなか」という名で親しまれるポルトガルの菓子です。同じ名前でも土地によって姿は大きく違います。北部アロウカでは、卵とアーモンド、パンを合わせた濃いクリームとして売られています。一方、テントゥガルでは卵とアーモンドの具を生地で包んだ半月形の菓子があります。

アロウカの菓子店の一例では、卵、砂糖、水、アーモンド、パンに、蜂蜜と豚脂を加えます。砕いたパンが水分を抱え、アーモンドの粒とともにクリームに厚みを与えます。卵の黄色と甘い香りが前に出る、スプーンで味わう菓子です。店の配合はこの土地の一例であり、どの作り手も蜂蜜や豚脂を使うという意味ではありません。

テントゥガルの菓子店の品は、柔らかな生地の内側に卵とアーモンドの具が入ります。皿に盛るクリームと手に取れる包み菓子では、同じ名前でも食べ方が違います。店頭で形を見て選ぶ楽しみもあります。

1729年のサンタ・クララ修道院のレシピ集とされる写本にも、同じ名の菓子が載っています。翻刻された作り方では、砂糖を煮詰め、卵とパン粉を加え、鍋にバターを塗りながら弱火で火を通して底に焼き色をつけます。ただし、写本の成立と内容の真実性には近年の研究で疑問が提起されており、この調理法が18世紀に存在したことを確かな証拠として扱うことはできません。
アロウカには旧修道院に結びつく菓子の伝統があり、現在も修道院菓子として作り継がれます。由来を一つの修道院や一人の発明に絞ることは難しいものです。同じ卵と砂糖を使うエンシャルカーダと比べると、パンや木の実を加えるアロウカの一皿には、また別の厚みがあります。
用語解説
- 修道院菓子
- ポルトガルの修道院と結びつく伝統を持つ菓子。卵と砂糖を用いた品が多い。







