Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ガーリー
Ghari
揚げ油と、白い衣
揚げ菓子 / インド・グジャラート州スーラト

ガーリー(Ghari/ઘારી)は、グジャラート州スーラトの、白い油脂の衣をまとった丸い菓子です。小麦の薄い皮で、乳を煮詰めたマーワーやナッツ、砂糖の具を包み、ギーなどで揚げた後、さらにギーを外側にまとわせます。薄皮、濃い乳の具、白い外衣という重なりが、切り口にも現れます。

盆に並ぶガーリー。撮影:Dhwalin、2012年、撮影地不明。原画像を使用(出典・CC BY-SA 4.0)。
揚げ油と、白い衣
ギーは生地の調理と表面の仕上げに使われます。揚げた皮だけなら褐色の菓子になりますが、後からまとわせた油脂が落ち着くと、白い丸い姿になります。中のマーワーは、牛乳の水分を減らした乳固形分で、そこへピスタチオ、アーモンド、カルダモンなどを加えます。白い仕上げには、ギーに粉砂糖を混ぜて塗る作り方もあります。

器に入ったギー。撮影:Neha Sonal、2015年、撮影地不明。原画像を使用(出典・CC BY-SA 4.0)。

器に入ったマーワー(コーヤー)。撮影:Miansari66、撮影年・場所不明。Commonsに掲載されたHohumによる明度調整版を使用(出典・パブリックドメイン)。
皮は厚くしすぎず、それでいて具を包める強さを残すように成形します。外側のギーと内側の乳の具は、どちらも乳由来でも同じ食感ではありません。外衣の滑らかさと、糖やナッツを含む具の詰まった食感を一緒に味わいます。
月の夜に食べる街の菓子
ガーリーと強く結び付くのが、秋のシャラド・プールニマーの翌日に当たるチャンドニー・パドヴォです。スーラトでは、家族や仲間が屋外へ集まり、ガーリーとブースーという塩味のスナックを食べる習慣があります。海辺や屋上など、月を眺められる場所もこの食事の場になります。
ブースーには、細い揚げ麺のセヴ、揚げたポハや小さな揚げ玉などを混ぜるものがあります。濃い甘味のガーリーと、塩味や香辛料の効いたブースーを交互に食べる組合せです。
兵士へ振る舞ったという伝承
ガーリーには、1857年の反乱で知られるターティヤー・トーペーの軍勢に、スーラトの菓子職人が振る舞ったという話があります。ある話では、職人デーヴシャンカルがスーラトに来たトーペーへガーリーを差し出し、それを気に入ったトーペーが兵士にも用意するよう頼んだといいます。別の話では、トーペーが職人に菓子の作り方を伝えたとされています。街とガーリーの結び付きを語る伝承として受け継がれていますが、これだけを菓子の発明を証明する記録とすることはできません。
マーワーを中心にしたもののほか、ピスタチオやアーモンドを加えたガーリーも売られています。祭りの日には菓子店の品だけでなく、地域の団体が会員のために作るものもあります。
用語解説
- マーワー
- 乳を煮詰めて得る乳固形分。コーヤーとも呼ばれます。
- ギー
- 水分や乳の固形分を除いて得る乳脂肪。
- ブースー
- スーラトなどで親しまれる塩味のスナックの混合物。
- ターティヤー・トーペー
- 1857年の反乱に参加した人物。ガーリーを軍勢に振る舞ったという伝承に登場します。
- セヴ
- 豆粉などの生地を細く押し出して揚げる軽食。
- ポハ
- 米を蒸して平たくした食品。炒め物や軽食に使われます。
- デーヴシャンカル
- ガーリーを軍勢に振る舞ったという伝承に登場するスーラトの菓子職人。







