Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ギーヤ・キ・ラウジ
Gheeya ki lauj
すりおろす粗さを残す
デザート / インド・ウッタル・プラデーシュなど

ギーヤ・キ・ラウジ(Gheeya ki lauj)は、ユウガオを乳と甘く煮詰め、切り分けられる形へまとめる北インドの菓子です。ラウキー・キ・ラウジ、ラウキー・キ・バルフィーなどの呼称もあります。白から淡い緑の断面には、すりおろした果肉の細い筋が残り、乳の濃さと野菜の柔らかな歯触りが重なります。

ユウガオ(Miansari66/Wikimedia Commons、CC0)。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし。
すりおろす粗さを残す
ギーヤ、ラウキーは、ここではユウガオを指す呼称です。皮を除いてすりおろし、乳とともに火を入れます。細かくして完全に溶かしてしまうのではなく、やや粗めにおろして、果肉の筋を残す家庭の作り方があります。
乳を少し煮詰めてから、ギーで軽く炒めた果肉を加える方法も、果肉と乳を一緒に煮始める方法もあります。どちらも、野菜と乳の水分を減らし、冷めると形を保てる濃さまで煮詰めます。
鍋から盆へ移す時点
乳と果肉が濃くまとまったところで砂糖を加え、さらに混ぜながら火を入れます。すでに煮詰めた乳固形分のコーヤーを足す作り方もあります。乳から仕込むものと、コーヤーを補うものは、同じ時間配分では作れません。

カルダモンなどで香りを付け、油脂を薄く塗った盆へ広げます。粗熱が取れてから角形や菱形に切り、ピスタチオなどを散らします。シュチ・アグラワル(Shuchi Agrawal)の家庭の作り方では、果肉をギーで炒めてから煮立てた乳に加え、砂糖とカルダモンを合わせ、盆に広げて落ち着かせます。角形に限らず、好みの形に切って供えます。温かいまますくって食べられる柔らかなものもあり、どこまで煮詰めるかで形が変わります。
ハルワとの近さ、切り菓子の姿

近縁のラウキー・ハルワ(2015年、Mrigankchoubey/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし。
ユウガオを乳と煮るラウキー・ハルワとも、原料と工程が近い菓子です。ラウジやバルフィーと呼ばれるものには、盆へ広げて切り分ける姿があり、盛り付けの形も菓子を見分ける手掛かりになります。ただし家庭では呼称が重なるため、固さだけで厳密に線を引けるわけではありません。
クリシュナの誕生を祝うジャンマーシュタミーには、この乳と野菜の菓子を供える家庭があります。ある料理家は、家族がこの日に作って配っていたことを覚えており、大人になって母に電話で作り方を尋ねました。断食の日にユウガオを食べる家庭もあり、ジャンマーシュタミーに柔らかなラウジを作る人もいます。穀粉を主材料にする菓子とは違い、野菜の果肉を乳と煮詰めて作る甘味です。
用語解説
- ユウガオ
- ウリ科の果実。ここでは若い果肉を乳菓に使います。
- ギー
- 水分や乳の固形分を除いた乳脂肪。
- コーヤー
- 乳を煮詰めて得る乳固形分。
- バルフィー
- 南アジアの切り菓子の呼称。乳、ナッツ、野菜など多様な材料が使われます。
- ジャンマーシュタミー
- クリシュナの誕生を祝うヒンドゥー教の祭り。
- シュチ・アグラワル
- ユウガオと乳の家庭の作り方を紹介する料理家。
- クリシュナ
- ヒンドゥー教の神。ジャンマーシュタミーに誕生を祝います。







