Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

モーンピーレン
Mohnpielen
モーンピーレンの材料と製法
デザート / ドイツ・シレジア、ベルリンなど

モーンピーレン(Mohnpielen)は、けしの実とパンを牛乳で柔らかくする甘い料理です。ドイツ語で「モーン」はけしを意味します。白いパンと黒いけしを器に重ね、よくなじませてからすくいます。シレジアに結びつくクリスマスの食卓で親しまれます。

パンにけしの牛乳を含ませる
ドイツの放送局が紹介するティッシャー家の作り方では、砂糖と牛乳を温め、挽いたけしを混ぜてふやかします。前日の小型パンを指ほどの厚さに切り、けし入りの牛乳と交互に器へ重ねて冷やします。乾き気味のパンが液を吸って柔らかくなり、細かなけしの粒と香りが加わります。ラム酒に漬けたレーズンを加えることもありますが、この家では省いた素朴な味も好まれています。
シレジアでは「モーンクレーセ」とも呼ばれます。クレーセは団子を意味しますが、この家庭の料理は丸めてゆでる団子ではなく、器に重ねて休ませる甘味です。器の形に仕上がり、取り分けると白いパンとけしの模様が現れます。


シレジアの食卓、二つの言葉
ポーランド語では近い料理がマクフキ(Makówki)と呼ばれます。ポーランド農業省がシロンスク県の伝統食品として紹介するマクフキは、白いパンや甘い酵母生地、けし、牛乳、乾燥果実を使い、断面に白いパンのまだら模様が現れる料理です。パンを液に浸してけしと重ね、レーズンやアーモンドを散らす作り方もあります。
似た名のマキエウキ(Makiełki)にも土地ごとの違いがあります。ダンブロヴァ盆地の観光資料は、けしに蜂蜜、ナッツ、レーズンを合わせ、パンではなくゆでた麺と混ぜるクリスマスイブの一例を紹介しています。呼び名が近くても、器に重ねるパンの料理と麺を混ぜる料理があり、作り方は一通りではありません。
ティッシャー家は、シレジアにルーツを持つ家族として、現在暮らすフランケン地方でも、クリスマスイブの食卓にモーンクレーセを出します。けしとパンの甘味には、その家が受け継いできた土地と祝いの記憶が重なっています。
用語解説
- シレジア
- 現在のポーランド、ドイツ、チェコにまたがる歴史的地域。
- マクフキ
- ポーランド語で、けしとパンなどを重ねるシレジアの甘い料理。
- マキエウキ
- けしを使う祝いの料理の名。土地によってパンや麺を用いる例がある。







