Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

パティシャプタ
Patishapta
パティシャプタの材料と製法
デザート / インド・西ベンガル、バングラデシュ

パティシャプタ(Patishapta)は、薄く焼いた生地に甘い具をのせ、くるりと巻くベンガルのピタです。バングラデシュやインドの西ベンガルで親しまれ、冬の収穫祭ポウシュ・サンクランティの食卓にも登場します。薄皮の中からココナッツや煮詰めたミルクの甘い香りが広がります。


コルカタのパティシャプタ(2023年、Salil Kumar Mukherjee/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0)。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし。
薄い生地で甘い具を巻く
ある作り方では小麦粉、米粉、セモリナ粉を牛乳で溶き、少し休ませます。生地を薄くフライパンに流し、固まり始めたところに具を細長くのせて巻きます。具は、削ったココナッツか濃縮乳の固形分に砂糖またはナツメヤシのジャグリーを加えて火にかけ、カルダモンで香りを付けたものです。水分を飛ばしながら混ぜると、巻いた生地の中にとどまる柔らかな具になります。
同じピタの仲間でも、ドゥード・プリは具を包んだ米粉の皮を甘いミルクで煮ます。パティシャプタは流せる生地を薄く焼き、具を巻くので、一口ごとに皮と具が重なります。温かくても冷ましても食べられ、練乳をかける例もあります。
バングラデシュの人が集まりに持参した一例では、小麦粉だけの皮に、牛乳と砂糖、つぶした米を使うクリーム状の具とココナッツを巻いていました。米を皮に使うものとは、米を使う部分が異なります。

冬の祭りと母の台所の記憶
ベンガル語の新聞に寄せられた家庭の回想には、祭りの前日に米を浸し、翌朝、家族の年長者が火加減を見ながらパティシャプタを次々と焼いた様子が描かれています。新しい米とナツメヤシのジャグリーの香りが、冬の家の台所と結び付いた記憶です。
バングラデシュの料理家ディナ・ベグムも、熱い鉄板に冷たい生地を流す音と、香辛料を加えたココナッツの香りを母の台所の思い出として語っています。母の味をもとにした作り方では、ココナッツをカルダモンやシナモンと煮てからナツメヤシの糖蜜を合わせ、薄い皮で包みます。
用語解説
- ピタ
- 米粉などを用いる、南アジア東部の多様な菓子や軽食の総称。
- ジャグリー
- サトウキビやヤシの樹液を煮詰めて作る、精製度の低い甘味料。
- セモリナ粉
- 小麦を粗くひいた粉。
- ディナ・ベグム
- バングラデシュの料理家。







