Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

スクディ
Sukhdi
粉、油脂、糖の3つの役目
砂糖菓子 / インド・グジャラート

スクディ(Sukhdi/સુખડી)は、全粒の小麦粉をギーで炒め、ジャガリーを加えて固めるグジャラートの菓子です。ゴール・パープディとも呼ばれます。四角や菱形に切った褐色の菓子には、細かな粉が均一に集まっています。かむとほどけ、乳脂肪と炒った小麦の香りが広がります。

金属盆に広げ、切れ目を入れたスクディ。撮影:Sushant savla、2021年、撮影地不明。原画像を使用(出典・CC BY-SA 4.0)。
粉、油脂、糖の3つの役目
小麦粉にはアーターと呼ばれる全粒粉が使われます。水を加えてパン生地のようにこねるのではなく、ギーの中で炒めます。粉の色と香りを見ながら火を入れ、十分に炒まってから甘味を加える順序が、穀物らしい味を作ります。
甘味のジャガリーは、サトウキビやヤシ類の樹液を煮詰めた糖の総称です。この菓子では、砕いたり削ったりして、温かい粉と油脂の中へ混ぜ込みます。別鍋で濃い糖蜜を作るモハンタールとは異なり、粉を炒めた鍋の熱を使って糖を溶かす作り方がよく用いられます。

サトウキビから作ったジャガリー。インド・パンジャーブの市場で撮影されたもので、スクディ用の材料を写した写真ではありません。撮影:Giridhar Appaji Nag Y、2007年。原画像を使用(出典・CC BY 2.0)。
糖を混ぜた後に加熱を続けると、仕上がりが硬くなることがあります。火から外したら、温かいうちに盆へ広げます。少し落ち着いたところで切れ目を入れれば、冷めてから小さく分けられます。
3材料の菓子から、木の実入りまで
基本の材料が少ないため、家庭ごとの違いも見つけやすい菓子です。ごま、ココナッツ、アーモンドを加えたり、カルダモンやしょうがで香りを付けたりします。食用樹脂のゴンドを加えるルセットもあり、これは基本の3材料だけのスクディすべてに共通するものではありません。
ゴンドを加える作り方では、炒めた小麦粉に砕いた食用樹脂を加えて火を通し、糖や木の実と混ぜる例があります。具を入れる場合も、皿に広げた生地を温かいうちに切り分けます。
日常のおやつと祝いの甘味
スクディは、家庭で切り分けて置くおやつであり、祝いの日にも作られます。グジャラートの食卓では、ジャガリーは菓子だけの材料ではありません。小麦の平焼きパンにギーと添える食べ方や、婚約などの節目にも用いられます。その身近な組合せを、持って食べられる形へまとめたところに、スクディらしい素朴さがあります。
マフディ寺院の供物
グジャラートのマフディにあるジャイナ教の寺院では、スクディが守護神ガンタカルナ・マハーヴィールへの供物として知られています。前世の王であった神がスクディを好んだという言い伝えに結び付き、参拝者が供える菓子です。供えたスクディは境内で食べるか人に分け、外へ持ち出さない慣習があります。同じ菓子でも、家庭で保存して少しずつ食べるおやつとは、いただく場が異なります。

スクディを供物とするマフディのガンタカルナ・マハーヴィール寺院。写真は境内と鐘を写したものです。撮影:Aditya Mahar、2012年。原画像を使用(出典・CC BY-SA 3.0)。
用語解説
- アーター
- インドで平焼きパンなどに使われる、細かく挽いた全粒小麦粉。
- ギー
- 水分や乳の固形分を除いた乳脂肪。
- ジャガリー
- サトウキビやヤシ類の樹液を煮詰めた糖の総称。
- ゴンド
- 菓子などに使われる食用樹脂。原植物や調理方法は製品により異なります。
- ガンタカルナ・マハーヴィール
- マフディのジャイナ教寺院で信仰される守護神。







