Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ティジェラーダ
Tigelada
ティジェラーダの材料と製法
デザート / ポルトガル、ベイラ地方など

ティジェラーダ(Tigelada)は、ポルトガルの陶器の鉢で焼く卵と乳の菓子です。こんがりした表面の下はプディングに似て柔らかく、底には小さな穴が並びます。生地を入れる前に鉢を熱することで、底に穴ができます。

アブランテス近郊リオ・デ・モイーニョスの作り方では、卵と砂糖をよく混ぜ、小麦粉、牛乳を加えます。深さのある小さな土の鉢を窯で十分に熱し、鉢を窯から出さずに生地を注ぎます。長い棒の先にカップを結びつけ、熱い窯の中で注ぐという工夫も記録されています。別のアブランテスの作例では、釉薬をかけていない土の鉢を使い、レモンの皮とシナモンを生地に加えます。卵が熱で固まり、フランのような口当たりに焼き上がります。

高温の鉢に液体が触れると、鉢に接する部分から急に火が入り、底に気泡の跡が残ります。型に静かに流して湯煎で固めるプディン・アバーデ・デ・プリスコスとは、同じ卵の菓子でも熱の伝え方が違います。土地や家庭によって香りづけや配合は変わります。

アブランテスには修道院と結びつく伝承があり、古い料理書や修道院の料理の記録にも似た名の菓子が見られるといいます。一方、複数の土地が起源を主張しているため、一か所で生まれたとは決められません。リオ・デ・モイーニョスには、焼いた菓子と緑のシダを交互に重ねて飾る習慣も残ります。
用語解説
- フラン
- 卵と乳などを合わせ、加熱して固める菓子。地域により形や配合は異なる。
- 湯煎
- 型の周囲を湯で温め、熱を穏やかに伝える加熱法。







