Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ティル・ピタ
Til pitha
ティル・ピタの材料と製法
デザート / インド・アッサム

ティル・ピタ(Til pitha)は、薄く焼いた米の皮で、ごまと甘味を巻くアッサムの菓子です。「ティル」はごまを意味します。細い筒を割ると、香ばしい黒ごまとジャグリーの具が見えます。収穫を祝うビフの時期にも作られます。


薪の火で熱した鉄板でティル・ピタを作る。アッサム州ボカカット、2021年。Baby Devi 26/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。配信元縮小版、取得後の内容変更なし。
米を粉にし、薄い皮を巻く
もち米を水に浸して水を切り、細かくひいた粉を皮にする作り方があります。黒ごまを炒って粗くひき、ジャグリーと合わせて具を作ります。熱い鉄板に米粉を薄く広げて火を通し、具をのせ、皮がまだ曲がるうちに巻きます。ごまを炒ることで香りが立ち、米の薄皮との食感の違いを楽しめます。
使うもち米は、アッサムでボラ・サウルと呼ばれる米の一種です。浸した米をデンキと呼ぶ足踏み式の木の道具で搗いて粉にする方法もあります。鉄板に油をひかずに焼く例もあります。初心者向けに、水を加えて流せる生地にし、薄く焼いてごまとジャグリーを巻く方法を紹介する作り手もいます。
ビフの台所と市場
同じアッサムのテケリ・ピタは、湿らせた米粉を蒸気で蒸します。ティル・ピタは鉄板の上で薄く焼いて巻くため、材料が近くても形も火の通し方も異なります。ある作り手は、ビフの時期に母が何本も巻き、訪ねてくる親族や友人に供した記憶を綴っています。近所の人も、それぞれのピタに使う米を搗くため、家にあった鉄製の臼ウラルを借りに来ました。
カマル・バルアは、ボガリ・ビフが近づくと、家の周囲に米を搗くデンキの音が響き、祖母の作るティル・ピタの香りに誘われたと振り返ります。焼いた皮で包むもののほか、蒸すテケリ・ピタや竹筒で火を通すスンガ・ピタも、祭りの食卓をにぎわせました。ある年には市場へピタを買いに出かけ、作り手の店に列ができる様子も見ています。

鉄板に広げた生地と、巻いて仕上げたティル・ピタ。2019年、NabaJyoti/Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0。配信元縮小版、取得後の内容変更なし。
用語解説
- ピタ
- 米などの穀物を使う、南アジア東部の多様な菓子や軽食。
- ジャグリー
- サトウキビやヤシの樹液を煮詰めた甘味料。
- ボラ・サウル
- アッサムで食べられるもち米の呼び名。
- デンキ
- 足で操作する木製の搗米道具。
- ビフ
- アッサムで季節の節目に祝われる祭り。
- カマル・バルア
- アッサムのビフの思い出を綴った書き手。







