Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

マッカン・ペーダ
Makkan peda
マッカン・ペーダの材料と製法
揚げ菓子 / インド・タミル・ナードゥ州アルコット

マッカン・ペーダ(Makkan peda)は、タミル・ナードゥ州アルコットの、具を入れて揚げる乳菓です。こんがり揚げた生地に糖液を含ませると、柔らかな生地の中に木の実や種の歯ごたえを感じます。
ラーニペット県の紹介では、砂糖を加えていない煮詰め乳と精製小麦粉を混ぜ、レモンほどの大きさに丸めます。中に乾燥果実を詰めて形を整え、油で黄金色に揚げます。砂糖の液には最低10時間浸し、十分に甘さを含ませるといいます。
アルコット育ちの料理人モティ・クリシュナンの作り方では、コーヤにギーとヨーグルトを混ぜ、小麦粉を加えます。強く練らずにまとめ、具を包んだ生地を少し平たくして揚げ、サフランを加えた糖液に浸します。この方法では浸す時間は30分以上。県の紹介する長い浸漬と比べると、作り手によって仕上げ方に幅があることがわかります。



生地の乳固形分はこくを持ち、小麦粉は具を包む形を支えます。県が挙げる具にはカシューナッツ、レーズン、かぼちゃやきゅうりの種があります。粒の大きさや組み合わせによって、甘く柔らかな皮の中に異なる歯ごたえが生まれます。
県の紹介では、味は糖液を含ませたグラブ・ジャムンにも似ています。アルコットのマッカン・ペーダは、中央に詰め物を置くことで、一口の中で異なる食感を楽しめる菓子です。一方、具を詰めないものもあると紹介する料理家もいます。
アルコットの菓子店には、かつて宮廷で出された甘味を店主の祖先が食べ、工夫を重ねて店の菓子にしたという話が伝わります。店の歩みを伝える興味深い記憶ですが、菓子の起源を裏付ける同時代の記録として確かめられたわけではありません。
用語解説
- 煮詰め乳
- 牛乳を加熱し、水分を減らして濃くしたもの。コーヤ、コーヴァとも呼ばれる。
- 糖液
- 砂糖を水に溶かして煮た液体。揚げ菓子にしみ込ませる。
- モティ・クリシュナン
- アルコットで育った料理人。







