Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ロガル・シフィエントマルチンスキ
Rogal świętomarciński
ロガル・シフィエントマルチンスキの材料と製法
発酵菓子 / ポーランド、ポズナン

ロガル・シフィエントマルチンスキ(Rogal świętomarciński)は、ポーランドのポズナンで聖マルティンの日に親しまれる三日月形の菓子です。折り重なった生地の中に、白けしの実を中心にした甘い餡をたっぷり巻き込みます。表面には糖衣と刻んだ木の実がかかります。

生地の層と白けしの餡
認証を受けた菓子店の一例では、酵母を使う折り込み生地に、白けし、木の実、レーズンを詰めて手で巻きます。焼くと生地が層になり、切り口には餡の入った巻き目が見えます。白けしの細かな粒に果実や木の実を合わせた密な餡が入り、糖衣が外側に甘さを加えます。

ポーランドの食品品質検査機関が紹介する配合では、白けしの餡に砂糖、スポンジ生地のくず、卵、レーズン、木の実、砂糖漬けの果物などを合わせます。生地を巻いた内側に、しっとりした餡が層を作ります。

守られる名前と祭りの日
この名前は2008年にEUの地理的表示として登録され、定められた地域と製法の条件に従う製品に使われます。地域はポズナン市だけでなく、周辺のヴィエルコポルスカ県の指定地域にも及びます。登録時の規格では一個200〜250グラムでしたが、2013年の変更で下限は150グラムになりました。店の材料表示には白けし、オレンジの皮、アーモンドの香りなどがあり、三日月形のパンの中でも、こうした材料を使う点に特徴があります。
新聞広告と伝説
製品仕様の歴史説明は、1860年のポズナンの新聞広告に聖マルティンの名が記され、具入りと具なしのロガルが売られていたと紹介しています。同じ資料によると、第二次世界大戦後、材料の調達が難しくなった時期には、アーモンドの餡に代わって白けしを用いるようになりました。現在の餡をそのまま19世紀の菓子に当てはめることはできません。
11月11日の聖マルティンの日には、ポズナンの街にこの菓子が並びます。聖人の馬が落とした蹄鉄を形にしたという伝説もありますが、形の起源を証明する記録とは区別されています。
用語解説
- 聖マルティン
- 11月11日の祭日と菓子の伝承に結びつく聖人。
- 白けしの実
- 淡い色のけしの種子。挽いて菓子の餡に用いる。
- 地理的表示
- 地域に結びつく食品の名称を、定められた条件のもとで保護する仕組み。







