Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

フルガール
Frgál
フルガールの材料と製法
発酵菓子 / チェコ、モラヴィア・ヴァラシュスコ

フルガール(Frgál)は、チェコ東部モラヴィアのワラキア地方で作られる、大きく平たい円形の菓子パンです。薄くのばした発酵生地に果実やチーズなどの具を広げ、クランブルを散らして焼きます。乾燥させた洋梨の具は、この土地を代表する味です。


薄い生地に、たっぷりの具
生地を中央から外側に向かって丸く延ばし、縁を残して具を広げます。焼く前の全体の重さの4割以上を具が占める製法もあり、薄いパンの上に果実やチーズの味が豊かに重なります。地理的表示で保護された「ワラキアのフルガール」は、一枚を一種類の具で仕上げます。
洋梨の具は、乾燥果実を煮てやわらかくし、つぶして作ります。生地に広げて焼くと、やわらかなパンと濃い果実の層、表面のそぼろを一緒に味わえます。洋梨のほか、クワルク、プラム、けしの実などを使う種類もあります。
洋梨を保存して菓子に
ワラキアのフルガールの製品仕様には、土地で採れる小粒で甘い洋梨を木の火でゆっくり乾かし、編んだ袋に入れて屋根裏に保存した話が載ります。乾燥した実を必要なときに煮戻してつぶせば、保存した果物を菓子の具に使えます。
祝いに切り分けられた、大きな菓子パン
同じ製品仕様が紹介する1826年の記録には、小麦やライ麦の生地にクワルク、プラムのペースト、または煮てつぶした乾燥洋梨を載せた大きな菓子パンの記述があるといいます。結婚式や洗礼、クリスマス、復活祭、収穫の終わりなどに焼かれ、切り分けて食べられてきました。家庭によっては祝日だけでなく、日曜日にも食卓に上りました。

現在、この地方名を冠する「ワラキアのフルガール」は、定められた地域と製法に結びつく名称として保護されています。
用語解説
- クランブル
- 粉、砂糖、油脂などを混ぜて作る、粒状のそぼろ。
- クワルク
- 乳を酸で固めて作る、やわらかなフレッシュチーズ。







