Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ラプスカ・トルタ
Rapska torta
ラプスカ・トルタの材料と製法
パイ / クロアチア、ラブ島

ラプスカ・トルタ(Rapska torta)は、クロアチアのアドリア海に浮かぶラブ島のアーモンド菓子です。渦巻き状に並べた具の縁を、薄い生地で細かく飾ります。切り分けるとアーモンドが密に詰まった層に、柑橘とマラスキーノの香りを感じられます。
渦に沿ってひだを寄せる
一例では、皮をむいたアーモンドを乾かして挽き、砂糖、卵、レモンとオレンジの皮、マラスキーノを合わせます。薄くのばした生地を細長く切り、その上に具を載せます。縁にはさらに細い生地を貼り、指でひだを寄せて形を整えます。渦巻きの内側まで、手仕事の縁飾りが続きます。


主材料のアーモンドを卵でまとめ、酒と柑橘の皮で香りを付けます。焼いて粉砂糖を振れば、淡い表面と細かなひだが際立ちます。島の作り手は、この縁を指で押さえながら具が崩れないよう成形します。

修道院と島の作り手
ラブ島では結婚や洗礼などの祝いと結びつく菓子として伝えられ、現在は島を訪ねた人への土産にもなります。聖アンドレアのベネディクト会修道院でも作られ、その菓子には修道女たちが自分たちで造るロゾリオというリキュールを使います。一般に紹介されるマラスキーノの代わりに自家製リキュールを使うなど、香りにも作り手ごとの違いがあります。
島には、1177年に教皇アレクサンデル3世を迎えた際、修道女たちが菓子を用意したという言い伝えもあります。修道院を紹介する資料もこの話を伝承として紹介しており、現在の配合が12世紀から変わらなかったことを示すものではありません。
用語解説
- アレクサンデル3世
- 12世紀のローマ教皇。島の菓子の由来を語る伝承に登場する。
- マラスキーノ
- マラスカ種のさくらんぼなどから造るリキュール。
- ロゾリオ
- 香りをつけた甘いリキュールの一種。修道院の菓子には自家製のものが使われる。
- ラブ島
- クロアチアのアドリア海にある島。菓子の名前に使われる。







