Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ベルランゴ・ド・カルパントラ
Berlingot de Carpentras
ベルランゴ・ド・カルパントラの材料と製法
砂糖菓子 / フランス・カルパントラ

ベルランゴ・ド・カルパントラ(Berlingot de Carpentras)は、フランス南東部カルパントラの、透き通った色に白い筋が走る飴です。小さな四面体を口に入れると、硬い飴がゆっくり溶け、ミントや果物などの香りが広がります。
砂糖漬けに使ったシロップを飴に
この土地の飴は、果物を砂糖漬けにするときに残るシロップと結びついてきました。果物の砂糖漬けから滴り落ちるシロップを使った手仕事の製造が、19世紀に工業化されたといいます。現在の製品にはさまざまな香りがあり、色もいろいろです。カルパントラのミント味には、緑ではなくピンク色のものもあります。
白い筋と四面体の形を作る
砂糖と水、グルコースシロップを煮詰め、硬く割れる段階まで加熱します。家庭向けの作り方では、火から下ろして香りを加え、大理石の台で冷ましながら折り返し、引き延ばして棒状にしてから斜めに切ります。職人の製造では、引き延ばして空気を含ませ、白くした飴を、色のついた飴に合わせることで細い白い筋を作ります。まだ扱える温かさのうちに形を作り、冷えると硬くなる砂糖の性質を使った菓子です。
教皇の伝説と、工場で働いた女性の記録
起源には、14世紀の教皇クレメンス5世と、その料理人をめぐる話があります。料理人が余ったシロップを使って飴を作ったという伝承ですが、この話だけで現在の飴の成立を確定することはできません。19世紀には、1851年にギュスターヴ・エイスリックが設立した家業が製造の工業化を進めました。県の文書館は、この工場で働いたマリー・ローズ・ベルナールの生涯を、戸籍や企業資料からたどっています。1849年にカルパントラで生まれた彼女は、15歳でエイスリック家の工場に雇われ、長年ベルランゴ作りに携わりました。1929年、80歳でレジオン・ドヌール勲章を受けた時には、同じ雇い主のもとで63年働いていたと記録されています。
用語解説
- グルコースシロップ
- でんぷんを分解して作る糖のシロップ。砂糖菓子の製造に使われる。
- クレメンス5世
- 14世紀初めの教皇。ベルランゴの起源をめぐる伝承に登場する。
- ギュスターヴ・エイスリック
- 1851年にカルパントラの製菓業を創業した人物。
- マリー・ローズ・ベルナール
- エイスリックの工場でベルランゴの製造に携わった女性。







