Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ブルンスヴィア
Brunsviger
ブルンスヴィアの材料と製法
発酵菓子 / デンマーク、フュン島

ブルンスヴィア(Brunsviger)は、デンマークのフュン島で親しまれる、褐色糖とバターの上掛けをのせた発酵菓子です。表面には指で押したくぼみがあり、そこに甘い上掛けがたまります。切り分けると、ふっくらした生地としっとりした褐色の層が一緒に口に入ります。
くぼみにたまる上掛け
作り方の一例では、牛乳に酵母を溶き、小麦粉やバターを混ぜて生地を作ります。型に広げて発酵させたら、指やスプーンでくぼみを作り、バターと褐色糖を温めて混ぜたものを表面に広げて焼きます。溶けた砂糖とバターは表面に広がり、生地のくぼみにたまります。



フュン島では誕生日や記念日などの集まりにも登場します。オーデンセでは、人の形にしたブルンスヴィアを菓子で飾る「ブルンスヴィアマン」が、1960年代以降、子どもの誕生日に親しまれるようになりました。大きな天板の菓子を切って分けるほか、形を作って祝いの席に置く楽しみ方もあります。
また、小型のパンを割ってブルンスヴィアを挟む食べ方もあります。オーデンセの地域史資料は「ルナー・メ・ブルナー」という名で、2000年頃から島のパン店で売られるようになったと紹介しています。甘いケーキをパンに挟む、フュン島ならではの一例です。
19世紀の名と今の姿
デンマークの百科事典によると、オーデンセのパン屋クリステンセンは1830年のクリスマス前の広告に「ブルンスヴィア」の名を掲げました。1859年の料理書には、生地にバターとレモンの油を加え、表面に砂糖、カルダモン、刻んだアーモンドを載せる作り方が紹介されています。生地を発酵させ、平たいパンにしてから焼く例です。
同じ名前でも、現在よく見られる褐色糖とバターの上掛けを、そのまま19世紀の菓子に当てはめることはできません。百科事典は、後の料理書で「ブルンスヴィアパン」から「ブルンスヴィアケーキ」へ名前が変わり、20世紀には具や上掛けにも変化が見られると説明しています。
名はドイツのブラウンシュヴァイクと結びつけて説明される一方、菓子そのものの由来には異なる見方があります。菓子の由来や、フュン島で今のように親しまれるまでの広まりは、一つの地名だけでは説明できません。
用語解説
- クリステンセン
- オーデンセのパン屋。1830年の広告でブルンスヴィアの名を掲げたと紹介される。
- 褐色糖
- 糖蜜を含む茶色い砂糖。上掛けの色と風味を作る。
- フュン島
- デンマーク中央部にある島。オーデンセは島の主要都市。







