Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

エンシャルカーダ
Encharcada
エンシャルカーダの材料と製法
デザート / ポルトガル、アレンテージョ

エンシャルカーダ(Encharcada)は、ポルトガルのアレンテージョ地方に伝わる、卵と砂糖の菓子です。熱い糖液に溶いた卵を流し入れ、柔らかく固まったひだを皿に盛ります。焼き菓子のように形を保つのではなく、糖液を含んだ黄色い塊をスプーンですくいます。

熱い糖液に卵を落とす
エヴォラの料理人アントニオ・ノブレが紹介する作り方では、砂糖と水を真珠状の糖度に煮詰め、溶いた卵を網のこし器を通して円を描くように注ぎます。この料理人は卵黄18個と全卵4個を合わせており、卵黄だけで作る菓子と決めつけることはできません。卵は熱い液の中で凝固し、細かなひだや不揃いな塊になります。壊しすぎないように火を通して皿へ移し、表面をオーブンで焼いてシナモンを振ります。卵の扱いと糖液の煮詰め具合によって、柔らかな仕上がりが変わります。


別の料理書が紹介する作り方では、鍋の縁から中央へへらを差し入れ、卵が表面に張りつかないようにしながら火を通します。卵を取り出すときに糖液を少し残し、深皿に盛ってから高温のオーブンで表面だけを焼きます。甘い液を含む柔らかな中身と、香ばしい表面を一緒に味わえます。
エヴォラの卵菓子
同じ地域の修道院菓子として語られるパン・デ・ララは、卵の甘い具をアーモンド生地で包みます。エンシャルカーダには包む皮がなく、卵を糖液の中で直接固めるところに特徴があります。表面を焦がすかどうか、シナモンを振るかどうかは作り方によって異なります。
エヴォラ市は、この菓子をサンタ・クララ修道院の名とともに、セリカイアやパン・デ・ララなど土地の甘味の一つとして紹介しています。修道院との結びつきは伝えられる一方、菓子がいつ生まれたかを示す確かな記録は明らかになっていません。今日も菓子店や食堂で味わえる、土地の卵菓子です。
用語解説
- アントニオ・ノブレ
- エヴォラの料理人。卵菓子の作り方を紹介している。
- 糖液
- 砂糖を水に溶かして煮た液。エンシャルカーダでは卵を加熱するためにも使う。
- 修道院菓子
- 修道院に結びつく伝統を持つ菓子。ポルトガルでは卵と砂糖を多く用いた品が知られる。







