Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

フランツブレートヒェン
Franzbrötchen
フランツブレートヒェンの材料と製法
発酵菓子 / ドイツ、ハンブルク

フランツブレートヒェン(Franzbrötchen)は、ドイツ北部ハンブルクのパン店で親しまれる、シナモンと砂糖の甘い焼き菓子です。巻いた生地を中央から押して広げた、くしゃっとした形が目印です。焼けた砂糖の甘さとシナモンの香りが、バターの生地から立ち上ります。

巻いて、押して、焼く
生地には、酵母で発酵させながらバターを何度も折り込むプルンダータイクが使われます。薄く延ばしてシナモンと砂糖を広げ、巻いて切り、中央を押して層を開きます。折り重なった生地は焼くと層になり、表面では砂糖が溶けてつやと香ばしさを作ります。
ハンブルク市が紹介するパン店の工程では、四角くまとめた生地を機械で薄く延ばし、砂糖とシナモンを散らして端から巻きます。切り分けた一つひとつを金属の棒で押してひねり、焼いたあと糖液を塗ってつやを出します。巻いた生地をただ輪切りにするのではなく、押して層を広げる手つきが、この店の形を作っています。
一方、観光機関の取材に答えた菓子店の製造責任者は、生地の状態に合わせて一つずつ手で扱うと語ります。同じシナモンの菓子でも、どの工程に機械を使い、どこを手で仕上げるかは店によって違います。

ハンブルクの朝に
朝食や途中の軽食に買い求める人が多くいます。北ドイツ放送によると、レーズン、チョコレート、りんごなどを加えるものもあり、昔ながらの押しつぶした形に加えて、近年はねじりを強く見せる形も広まりました。

コーヒーと合わせ、朝の食卓でも休憩の時間にも食べられる菓子パンです。
名前と誕生をめぐる複数の説
名前と誕生をめぐっては、フランス風のパンから発展したという説や、アルトナの「フランス人のパン屋」に結びつける説、北欧のシナモン菓子との関係を考える説などがあります。北ドイツ放送とハンブルク観光機関はいずれも、起源は明らかでないと紹介しています。フランスを思わせる名前や似た形だけから、一人の発明者や一つの来歴を決めることはできません。
用語解説
- プルンダータイク
- 酵母生地にバターを折り重ねたドイツの菓子パン生地。
- アルトナ
- 現在はハンブルクの一地区。歴史上はデンマークの統治下にあった時期がある。







