Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ランチャ
Langcha
ランチャの材料と製法
揚げ菓子 / インド・西ベンガル州シャクティガル

ランチャ(Langcha、Lyangcha)は、ミルクから取った固形分と小麦粉などで作った細長い生地を揚げ、砂糖のシロップを含ませるベンガルの菓子です。表面は濃い褐色に揚がり、中には甘い液がしみ込みます。インド西ベンガルのシャクティガルの名物として知られ、道沿いの菓子店で見かけます。

シャクティガルの菓子店のランチャ(2014年、Biswarup Ganguly/Wikimedia Commons、CC BY 3.0)。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし。
煮詰めたミルクから作るコヤや、ミルクを凝固させて水分を切ったチェナを用いる作り方があります。粉を合わせて練り、筒のように成形して油で揚げ、シロップに浸します。

粉乳を使い、二段階でシロップを含ませる例
シャクティガルの店主が取材で紹介した作り方では、小麦粉と粉乳に膨張剤、水、ギーを合わせて生地を休ませます。筒形にして揚げ、砂糖のシロップで煮てから、バラまたはカルダモンで香りを付けた冷たいシロップに数時間浸します。コヤを詰めた別の品も売られており、同じ店先でも中身を選べます。
道沿いの店と土産の菓子
幹線道路沿いの店には、休憩するバスや車の客が立ち寄り、箱に詰めた菓子を家族への土産に持ち帰ります。シャクティガルの市場にも古い店が残る一方、国道沿いのアムラ地区には多くの店が集まっています。地元の菓子商組合の関係者は、国道ができてから店が移ってきたと話しています。

シャクティガルの国道沿いの菓子店(2017年、Biswarup Ganguly/Wikimedia Commons、CC BY 3.0)。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし。
丸い形のグラブ・ジャムンと同じく揚げた生地をシロップに浸しますが、ランチャは細長い姿で目に留まります。ベンガル語で書かれた資料はバングラデシュのジナイダ県カリガンジのランチャにも触れており、ひとつの店や土地だけに限られた名前ではありません。
名前にまつわる二つの伝承
名前の由来には、足の不自由な菓子職人の呼び名から付いたという話があります。伝承では、クリシュナナガルの王家からブルドワンへ嫁いだ女性が、妊娠中に故郷の菓子を求めました。菓子の名は思い出せず、作っていた職人の歩き方で伝えたため、職人が探し出されてブルドワンへ呼ばれたといいます。別の話では、この菓子を好んだ足の不自由な英国人にちなむと、シャクティガルの店主が語っています。いずれも伝承で、由来を確定する資料は確認できていません。
用語解説
- ギー
- バターを加熱し、水分などを除いた油脂。
- コヤ
- 乳を加熱して水分を減らした固形分。マワとも呼びます。
- チェナ
- 乳を酸などで凝固させ、水分を切った乳の固形分。







