Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

パルワル・キ・ミタイ
Parwal ki mithai
ウリを、甘い器に変える
デザート / インド・ビハール、ウッタル・プラデーシュ

パルワル・キ・ミタイ(Parwal ki mithai)は、小さなウリを糖蜜で煮て、乳の餡を詰める菓子です。ビハールやウッタル・プラデーシュなどで親しまれます。緑の外側に切込みが入り、白い餡やナッツがのぞきます。野菜を細かく混ぜ込むのではなく、その形を菓子の外皮として使います。

乳の餡を詰めたパルワルの菓子。撮影:Ravi Talwar、2015年、撮影地不明。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし(出典・CC BY-SA 4.0)。
ウリを、甘い器に変える
パルワルは、英語でポイントテッド・ゴードと呼ばれる小さなウリです。料理に使う野菜ですが、この菓子では皮をむいたり表面を削ったりして、片側に縦の切込みを入れます。種を取り除いて空間を作り、形を保ったまま下ゆでし、糖蜜で甘味を含ませます。
外側の果肉が潰れてしまうと餡を詰められないため、柔らかくするだけでは足りません。糖液の中で休ませる工程もあり、水気を切ってから乳の具を入れます。野菜を煮ると同時に、具を詰める器を作るのです。

パルワルの縦断面。撮影:Billjones94、2022年、撮影地不明。配信元の縮小版を使用、取得後の内容変更なし(出典・CC BY-SA 4.0)。
乳の餡を別に仕込む
餡には、乳を煮詰めたコーヤーを炒め、砂糖、カルダモン、刻んだナッツなどを混ぜます。乳粉を加えるルセットもあります。餡は冷ましてからウリの中へ詰め、切込みの間から白い部分が見えるよう整えます。

器に入ったマーワー(コーヤー)。撮影:Miansari66、撮影年・場所不明。Commonsに掲載されたHohumによる明度調整版を使用(出典・パブリックドメイン)。
ヴァーラーナシーで作り方を調べた研究では、コーヤーを炒めてほぐれやすくし、糖を加えた後も混ぜ、冷ます間も塊にならないようにしています。研究では牛乳、水牛乳、両方を混ぜた乳から作ったコーヤーを試しました。詰め物の乳も一種類に限られません。
果肉と乳の餡は、別々に火を入れる材料です。ウリには糖蜜を吸わせ、乳は水分を減らし、具としてまとまる濃さにします。2つを同じ鍋で煮ないことが、緑の外側と白い内側を保つ構造につながります。
緑と白を見せる仕上げ
表面へピスタチオを散らしたり、食用銀箔を添えたりする品もあります。糖を含んだ果肉は薄い皮のように噛め、その後から乳の濃い甘さとナッツの歯触りが現れます。色を強く見せた商品でも、緑の濃さだけで原料や製法を判断することはできません。
夏の婚礼や祭りに用意される地域の甘味であり、ビハールの観光案内でも郷土の菓子に挙げられます。普段は塩味の料理にも使うウリに、甘い乳の餡を詰めて供します。
用語解説
- パルワル
- 南アジアで料理に用いる小さなウリ。ポイントテッド・ゴードの呼称。
- コーヤー
- 乳を煮詰めて得る乳固形分。マーワーとも呼ばれます。
- 食用銀箔
- 菓子の装飾などに用いる、ごく薄く延ばした銀。







