Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ストンスカ・トルタ
Stonska torta
ストンスカ・トルタの材料と製法
パイ / クロアチア、ストン

ストンスカ・トルタ(Stonska torta)は、クロアチアのストンに伝わる、パスタを具に使った菓子です。薄い生地の器の中に、管状パスタとアーモンド、くるみを重ねて焼きます。切り口に現れる麺の形が、この土地の祝い菓子を印象づけます。


パスタと木の実を重ねる
ストンの作り方の一例では、パスタをゆでて冷まし、挽いたアーモンドとくるみ、砂糖、パン粉、レモンの皮、コーヒーなどを用意します。型に薄くのばした生地を敷き、パスタと木の実の混合物を交互に重ね、溶き卵を注ぎます。包んで焼き、型から返して仕上げます。

パスタは甘い味を吸いながら形を残し、木の実は歯ごたえと香ばしさを添えます。卵が具をつなぐので、切り分けられるようにまとまります。同じ名前のレシピでも材料には幅があり、木の実や香りづけを変える作り手もいます。パスタを甘い具として扱う点に、この菓子の面白さがあります。
別の作り方では、ゆでたマカロニと、刻んだチョコレート、砂糖、アーモンド、くるみを重ね、バターと卵を加えます。具を入れる外側の生地には、小麦粉、卵、オリーブオイルを合わせます。コーヒーを使うものも、チョコレートを使うものも、それぞれの作り手の一例です。
町の祭りに焼く
ストンはクロアチア南部、ペリェシャツ半島の入口にある町です。塩田や城壁で知られるこの町で、菓子は家庭の祝いの席に受け継がれてきました。復活祭やクリスマス、カーニバルの席にも用意され、前日に焼いて香りをなじませることもあります。
ストンの料理人エレナ・ヴラフシッチは、町の聖リベランの祭りに向けて家庭でこの菓子が作られると語っています。母や祖母に教わった作り方をもとに、それぞれの家で焼き続けています。
用語解説
- エレナ・ヴラフシッチ
- ストンの料理人。家庭の菓子と祭りの関わりを語っている。
- 聖リベラン
- ストンの祭りに結びつく守護聖人。
- ペリェシャツ半島
- クロアチア南部のアドリア海に突き出た半島。
- 管状パスタ
- 中に穴が通ったパスタ。甘い具の中でも形が見える。







