Sweetlore世界のお菓子図鑑(234)

ロリー・ケーキ
Lolly cake
ビスケットの中に、カラフルな菓子の断面
ケーキ / ニュージーランド

茶色い切り口に、ピンクや黄、緑の砂糖菓子が点々と残る。ニュージーランドのロリー・ケーキは、砕いたビスケットを加糖練乳などでまとめ、冷やして切る菓子です。Lolly はキャンディー類、log は丸太。白いココナッツをまとった棒を輪切りにする姿から、ロリー・ログとも呼ばれます。
焼いてある粒を、冷やしてつなぐ
土台となるモルト・ビスケットは、既に焼いた乾いた菓子です。砕いても麦芽の風味と茶色を持ち、練乳と混ぜれば、別の菓子の骨格になります。卵や粉をオーブンで固めるケーキと違い、ここで加えるのは水分と甘味を持つ練乳、そしてルセット(材料の配合と作り方)によっては溶かしバターです。混ぜ、形を作り、冷やすことが次の工程になります。
バターを加える型はビン・インやグリフィンズのルセットに、練乳でまとめてバターを加えない型はチェルシーにあります。後者ではココナッツの一部も混ぜ込みます。砂糖菓子は細かく練り潰さず、かけらとして残すため、ビスケットの土台とは異なる噛み心地と色が断面へ散ります。
棒へ押しまとめ、外側にもココナッツを付けたら、切れる硬さまで冷やします。グリフィンズの型では冷蔵4時間。この時間は焼成でなく冷却に使われます。チェルシーには一口ずつ球に丸める仕立てもあり、同じ混合物から、切って配る一切れと、そのまま渡せる一個ができます。
家庭の一本と、店へ届く一切れ
ロリー・ケーキは、家庭で作るルセットと、出来上がった品を買う流通の両方を持ちます。乳製品メーカーAnchorのルセットにも、地元ベーカリーで見たという書き手の記憶が残ります。誰がいつ発明したかは定まっていませんが、材料メーカーが家庭へ作り方を伝える一方で、店に並ぶ切り菓子としても受け継がれています。
現在のOriginal Foodsには、あらかじめ切った大きな板状の商品と、一個ずつ包んだ65グラムの「Sweet As Lolly Cake」があります。麦芽ビスケット、柔らかなフルーツ・パフ、ココナッツという組合せを、棒から切る家庭の形だけでなく、店で扱う一切れや持ち運ぶ個包装へ移したものです。冷菓の名前が同じでも、丸い断面だけが共通条件ではありません。
材料の名前が変わる
古いルセットに現れるパスカル社の「Eskimos」は、先住民族への呼称をめぐる問題から、2021年に「Explorers」へ改称されました。製造元は味を維持すると説明しています。同じ菓子を作る材料が、売場では新しい名で見つかるようになったのです。
果実風味の柔らかいこの砂糖菓子と、フルーツ・パフが代表的なロリーです。マシュマロに似た姿でも、薄く溶かし込むのではなく、切った後にも粒で残す使い方が、色の散る断面を作ります。
冷菓の土台と、焼くクッキー
混合物を丸型へ押し敷き、クリームチーズの層を重ねるのが、グリフィンズのロリー・ケーキ・チーズケーキです。粒をつないで固める働きが、今度は別のケーキの底になります。
クッキー・タイムは2021年、同名の限定クッキーを販売しました。麦芽、ココナッツ、色付きのロリーにホワイトチョコレートを合わせ、オーブンで焼く別の菓子です。ニューワールド、フォースクエア、パックンセーブの一部店舗や、ガソリンスタンド、地域の小売店へ届きました。冷蔵庫で固める一本から、店が扱う板、個包装、焼き菓子へ。材料の顔ぶれと親しまれた名前は、異なる作り方にも引き継がれています。
用語解説
- モルト・ビスケット
- 麦芽由来の風味を加えたビスケット。砕いて生地の粒にする。
- 加糖練乳
- 乳を濃縮して砂糖を加えたもの。ビスケットをまとめる。
- エクスプローラーズ
- パスカル社の柔らかな砂糖菓子。2021年に旧商品名から改称された。
- フルーツ・パフ
- 色つきで柔らかい砂糖菓子。ロリーの材料例。
- 乾燥ココナッツ
- 削って乾燥させたココナッツの果肉。棒の外側を覆う。







