Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ヌガー・ド・トゥール
Nougat de Tours
ヌガー・ド・トゥールの材料と製法
タルト / フランス・トゥール

ヌガー・ド・トゥール(Nougat de Tours)は、フランス中西部のトゥーレーヌ地方で作られる、果物とアーモンドを重ねた焼き菓子です。名前にヌガーとありますが、蜂蜜や砂糖を煮詰めてナッツを混ぜるヌガーとは姿も作り方も異なります。


甘いタルト生地を土台に、杏のマーマレードと小さく切った砂糖漬けの果物を広げます。その上をアーモンドのマカロナードで覆い、焼き上げて粉糖を振ります。一切れの中で、土台の生地と果物の甘酸っぱさ、アーモンドを使った上の層を味わえます。砂糖漬けの果実は香りと歯ごたえを添え、杏のマーマレードは土台と上の生地の間をつなぎます。

トゥールの菓子職人ニコラ・レジェは、砂糖漬けの果物をキルシュに漬け、杏のマーマレードと合わせる一例を紹介しています。上のマカロナードには卵白、アーモンド、砂糖を使います。キルシュを使うかどうかや果物の選び方は店によって異なり、地域団体が紹介するレシピには酒を加える工程がありません。高松市の国際交流教室で紹介されたレシピでは、レーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを使います。
フランス南西部トゥールーズのフェネトラにも、タルト生地に杏とアーモンドの層を重ねる作り方があります。ヌガー・ド・トゥールでは、砂糖漬けの果物がその組み合わせに加わります。使う果物や仕上げは、作り手によって異なります。
この菓子の起源については、ルネサンス期のトゥーレーヌに結びつける話が伝わります。当時アーモンドや砂糖漬けの果物が好まれていたとしても、今の形の菓子がその時代にあったかどうかは定かではありません。今日の菓子は地域の職人たちに受け継がれ、1998年に設立された団体が、その普及にも取り組んでいます。
用語解説
- ニコラ・レジェ
- トゥールの菓子職人。砂糖漬けの果物をキルシュに漬ける作り方を紹介している。
- マカロナード
- アーモンド、砂糖、卵白などを用いた生地。菓子の上に重ねて焼く。
- キルシュ
- サクランボを発酵・蒸留して作る酒。
- トゥーレーヌ
- フランス中西部、トゥールを中心とする歴史的な地方。







