Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

フェネトラ
Fénétra
フェネトラの材料と製法
タルト / フランス・トゥールーズ

フェネトラ(Fénétra)は、フランス南西部トゥールーズの菓子です。甘いタルト生地の上に杏のジャムと砂糖漬けのレモンを重ね、アーモンド入りの生地をのせて焼きます。杏とレモンの酸味や香りを、甘いアーモンドの層とともに味わいます。


果実とアーモンドの層
オート=ガロンヌの菓子職人が作る「ガトー・デュ・フェネトラ」は、持ち運びができ、室温で数日保存できる菓子として紹介されています。上の層は、アーモンドを使ったシュクセです。卵白を泡立ててナッツを合わせる生地で、下のタルト生地、果実の層とは異なる口当たりを作ります。
店ごとの解釈もあります。トゥールーズの一例では、果実のマーマレードとダックワーズをタルトに重ねて焼き、粉糖でオクシタニー十字を描きます。別の料理人は、上の生地にヘーゼルナッツを加え、シトロンに杏を合わせます。こうした仕上げは、店ごとの工夫です。
祭りの菓子として選ばれて
この菓子は、初夏に開かれるトゥールーズの祭り、グラン・フェネトラとも結びついています。古代の死者を悼む祭りに同じ菓子が供されたという話も伝わりますが、現在の材料と形がそのまま古代から続いたとまでは言えません。
祭りは1963年に復活し、1970年には祭りのための菓子を選ぶコンクールが開かれました。ラングドック学士院の顕彰文によると、菓子職人クリスチャン・ラコストの菓子が選ばれ、同年6月の祭りの開会で分けられました。選ばれた菓子は細長く、持ち運びやすい形でした。ラコストはその後30年以上、祭りの開会で菓子を切り分けたといいます。







