Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

トルタ・ディ・リーゾ
Torta di riso
トルタ・ディ・リーゾの材料と製法
ケーキ / イタリア・ボローニャなど

トルタ・ディ・リーゾ(Torta di riso)は、牛乳で煮た米を卵や砂糖と合わせて焼くイタリアの菓子です。ボローニャではトルタ・デッリ・アドッビとも呼ばれ、飾りを掲げる宗教行事と結びついています。しっとりとした米のケーキを、ひし形に小さく切り分けて供します。
ボローニャの一例では、牛乳で米を煮て水分を吸わせ、冷まします。卵、砂糖、刻んだアーモンド、砂糖漬けのシトロンを加えて型に流し、表面に焼き色がつくまで焼きます。焼き上がった菓子に小さな穴を開け、アーモンドのリキュールを染み込ませる作り方もあります。米は粉にせず粒のまま煮るため、切り口にも穀物の姿が残ります。乳を吸った米が水分を含み、卵が加熱によって全体をまとめます。果皮の香りやアーモンド、リキュールは、乳で煮た米の穏やかな味に重なります。



アドッビの祭りは、ボローニャの各教区が10年ごとに行う宗教行事です。家々の窓や通りを布や飾りで彩り、行列を迎えました。ボローニャの歴史を調べる市民団体は、通りでの祝いに地元のワインとこの米の菓子が供されたと紹介しています。菓子の別名はこの祭りにちなみます。ただし、行事が古いからといって、それを菓子の成立年代とすることはできません。イタリア料理アカデミーによると、菓子の起源を示す確かな資料はなく、1874年のボローニャの家庭料理書に米の菓子のルセット(材料の配合と作り方)が載っています。
ヤンマーが紹介するレシピには、米を水と牛乳で煮て卵を加え、タルト生地に詰めて焼くものもあります。米の部分と、外側のさくさくした皮を一緒に味わう一例です。
米の菓子はボローニャに限られません。モデナやレッジョ・エミリアのものは、ボローニャのものに比べて色が淡く、厚みがあるといいます。2005年にはボローニャの料理アカデミー支部が一つのルセットを商工会議所へ登録しましたが、各地や家庭の作り方を一つに定めるものではありません。
用語解説
- アドッビ
- ボローニャの教区で行われる祭りの呼び名。通りや窓を飾って行列を迎える。
- シトロン
- 香りの強い柑橘。果皮を砂糖漬けにして菓子に使う。
- ルセット
- 材料の配合と作り方。







