Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

デリツィア・アル・リモーネ
Delizia al limone
デリツィア・アル・リモーネの材料と製法
ケーキ / イタリア・カンパニア州ソレント、アマルフィ沿岸

デリツィア・アル・リモーネ(Delizia al limone)は、レモンの香りを生かした、ソレント半島の菓子です。柔らかなスポンジにクリームを詰め、レモンの香るソースで覆います。菓子店では半球形の一人分の大きさでも、大きなケーキとしても作られます。

スポンジの内側にも外側にも、レモンのクリームを
スポンジには軽い生地を使い、レモンの香りを移したクリームを中へ詰めます。シロップを含ませた後、クリームを延ばしたソースで外側を覆います。中と外を別々の層にすることで、スプーンを入れると柔らかな生地とクリームのコク、柑橘の香りを一緒に味わえます。リモンチェッロ入りのシロップを使うものも多いですが、香りづけは作り手によって変わります。


マルツイッロが語る作り方と広まり
菓子職人カルミネ・マルツイッロは、自身の作り方として、小さく絞って焼いた2つの半球をくり抜いてクリームを詰め、合わせて軽くシロップに浸し、ソースをかけたと語っています。薄く切ったレモンの皮を砂糖と酒に漬けたものや、砂糖漬けのさくらんぼで飾ります。スポンジは繊細なので、シロップを含ませすぎないようにするのが、この職人の工夫でした。また、ソレントやマッサ・ルブレンセのレモンの皮の香りを大切にし、皮をクリームの中に直接削り入れたと振り返っています。
マルツイッロによれば、最初はストレーガというリキュールを使い、後にレモンの香りを強める酒へ変えていきました。リモンチェッロを使う現在の形だけを、最初から変わらない唯一の作り方とは言えません。本人は、ホテルのデザート用にこの菓子を作り、後に工房やレストランを通して広がったとも語ります。1978年にフォルミアの料理の集まりで披露されたとする紹介がありますが、本人はその時のために初めて作ったわけではないと話しています。
用語解説
- カルミネ・マルツイッロ
- ソレントの菓子職人。デリツィア・アル・リモーネを考案し、その作り方を語った。
- リモンチェッロ
- レモンの皮を使って香りをつけるイタリアのリキュール。
- ストレーガ
- イタリアの香草リキュール。マルツイッロが初期の菓子に用いたと語る。







