Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ピオノノ
Pionono de Santa Fe
ピオノノの材料と製法
ケーキ / スペイン、グラナダ県サンタフェ

ピオノノ・デ・サンタフェ(Pionono de Santa Fe)は、スペイン南部グラナダ近郊のサンタフェで作られる小さな菓子です。薄いスポンジを巻いた円筒に蜜を含ませ、上にクリームを絞って焼き色を付けます。紙のカップに収まる一個を持つと、生地のしっとりした重みが伝わります。

薄いスポンジにシロップとクリームを合わせる
家庭向けレシピの一例では、卵と砂糖を泡立て、小麦粉とコーンスターチ、牛乳を合わせた生地を天板で薄く焼きます。冷ました生地を糖液に浸し、卵のクリームを薄く塗って細く切り、それぞれ巻きます。クリームが巻き目の間をつなぎ、残した分を上にも絞ります。砂糖をかけて表面を焦がせば、なめらかな上部に香ばしい膜ができます。


巻き生地は薄いので、シロップが内側まで行き渡りやすくなります。上のクリームに焼き色を付けると、卵の豊かな甘さに香ばしさが重なります。グラナダでは小菓子としてだけでなく、大きなピオノノのケーキを祝いの席に供する店もあります。
教皇の姿に見立てたという店の来歴
サンタフェの菓子店カサ・イスラは、創業者セフェリノ・イスラが1897年に工房を開いた後、教皇ピウス9世にちなむ菓子を考案したと伝えます。店の説明では、円筒と紙の衣、焼いたクリームを教皇の姿に見立てています。一方で、それ以前の「ピオノノ」という菓子名の記録もあります。名称が古いことと、現在のサンタフェの形の成立は別のことです。
中南米には塩味のピオノノも
ピオノノという名は中南米にも広がり、薄いスポンジで甘い具や塩味の具を巻いた料理を指す地域があります。ブエノスアイレス市が紹介するピクニック向けの一例は、ハム、チーズ、トマト、にんじんなどを薄い生地で巻き、切り分けて食べる塩味のピオノノです。サンタフェの小さな菓子と同じ名前でも、生地の形や中身はさまざまです。
用語解説
- セフェリノ・イスラ
- サンタフェの菓子店カサ・イスラの創業者。
- シロップ
- 砂糖と水を煮た液。スポンジに染み込ませ、甘さと水分を与える。
- ピウス9世
- 19世紀のローマ教皇。菓子店の伝承ではピオノノの名前と形に結びつく。







