Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ドレスデナー・アイアシェッケ
Dresdner Eierschecke
ドレスデナー・アイアシェッケの材料と製法
ケーキ / ドイツ、ドレスデン

ドレスデナー・アイアシェッケ(Dresdner Eierschecke)は、ドイツ東部ザクセン州ドレスデンで親しまれる、三層の焼き菓子です。薄い生地の上にクワルクの層を重ね、さらに卵を使った厚い生地を載せて焼きます。切り口では、土台の薄さと上の黄色い層の厚みが際立ちます。

三つの層を一緒に焼く
クワルクは乳を酸で凝固させた、やわらかなフレッシュチーズです。これを使う中央の層が乳の酸味を加え、その上の卵の層はふんわりと焼き上がります。一例では卵黄、バター、砂糖、バニラ風味のクリームを合わせ、泡立てた卵白を混ぜます。泡を含んだ卵生地と、密度のあるクワルクの層を一緒に焼くため、ひと切れの中で食感が変わります。
パン店エッケルトが紹介する作り方では、上の層には卵黄、バター、砂糖とバニラのプディングを使い、中央にもクワルクとプディングを合わせます。土台にはイースト生地、混ぜるだけの生地、練り込み生地などを使うことができ、配合は一つではありません。ザクセン州の紹介にも、アーモンドやレーズン、チョコレートを加える例が挙げられています。

州の資料によると、卵の層を厚く載せる現在の姿は1925年頃から広まりました。卵とクワルクを豊富に使う比較的高価な菓子で、ドレスデンの豊かな市民と喫茶の文化に結びついていたとも紹介されています。喫茶店でコーヒーと一緒に頼み、上から下までフォークを通すと、三つの層を一度に味わえます。
フライベルクではクワルクを使わずに
同じザクセンのフライベルクにもアイアシェッケがあります。州の産品資料によれば、フライベルクのものは薄いイースト生地の上に卵の生地を載せ、アーモンドとレーズンを使い、クワルクの層を設けません。厚い黄色の層とその下の乳の層を重ねるドレスデンの菓子とは、切り口が異なります。フライベルクでも店ごとに配合が伝わり、土地のパン職人の団体が名称と品質を守っています。

クワルクを使わない理由には、町の城壁を築く際にクワルクを混ぜた粘土が使われ、菓子に回せなくなったという言い伝えがあります。ザクセン州やパン職人の団体はこれを伝説として紹介しており、城壁の工事が現在の菓子を生んだと確かめられたわけではありません。
用語解説
- クワルク
- 乳を酸で固めて作る、やわらかなフレッシュチーズ。
- アイアシェッケ
- ザクセンなどで作られる卵を使ったケーキ。土地によって層や配合が異なる。







