Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

アンドルティ・カリスキェ
Andruty kaliskie
アンドルティ・カリスキェの材料と製法
焼き菓子 / ポーランド、カリシュ

アンドルティ・カリスキェ(Andruty kaliskie)は、ポーランドのカリシュで作られる、薄い円形のウエハースです。ほのかな甘さで、乾いた薄い生地は、噛むと軽く割れます。クリームを挟まず、そのまま一枚ずつ食べる菓子です。
農業省が紹介するものは、直径15〜17センチに対し、厚さは1ミリほど。縁はきれいな円にそろわず、淡い生地には焼き色の濃淡があります。
熱い板に生地を落とす
小麦粉、水、砂糖、菜種油を混ぜて休ませた生地を、熱い上下の板で挟んで焼きます。登録申請の製法説明によると、職人は熱した下の板にスプーンで生地を落とし、すぐに上の板を押し合わせます。焼き上がるまでの時間は板の温度によって異なりますが、およそ30〜45秒。薄い菓子をへらで外して重ね、縁を整えます。

薄く乾いた焼き菓子は割れやすく、湿気も吸いやすいため、製造場所で包装します。かつては紙の帯を巻いていましたが、後に密封袋が使われるようになり、湿気を防ぎやすくなりました。地元の工房は、一枚ずつ焼く手仕事では、同じ道具を使っても焼き上がりが少しずつ違うと紹介しています。

公園の散歩と菓子の記憶
カリシュでは、この菓子は公園の散歩と結びついてきました。日曜や祝日に家族が集まる公園には、飲み物とともにウエハースを売る屋台や売店がありました。ポーランド農業省の記録には、1959年に公園で子どもたちがアンドルティを食べる写真が残るとあります。

1950〜60年代には、旧温室の近くの売店でドナト夫妻が菓子を販売し、娘のヤドヴィガも後に製造と販売を続けました。同じ頃に菓子を作ったチヒ夫妻の工房は、娘とその夫に引き継がれています。公園へ向かう道と、そこで買った薄い菓子の記憶は、町を離れた人々の思い出にも残りました。
地元の製造者は、1812年の財産目録にウエハースの型が記されたと紹介しています。型があったことは、当時の作り方や、現在のアンドルティとのつながりを考える手がかりです。
用語解説
- ドナト夫妻とヤドヴィガ
- 公園近くで菓子を売り、娘ヤドヴィガが製造と販売を続けた家族。
- チヒ夫妻
- 菓子を作り、その工房を娘夫婦に引き継いだ作り手。
- ウエハース
- 薄い生地を熱した板で挟んで焼く菓子。
- 菜種油
- 菜種から搾る植物油。記載した仕様では少量を生地に用いる。







