Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

オーランドパンカーカ
Ålandspannkaka
オーランドパンカーカの材料と製法
ケーキ / フィンランド、オーランド諸島

オーランドパンカーカ(Ålandspannkaka)は、フィンランドのオーランド諸島で食べられる、穀物の粥を使った厚いパンケーキです。カルダモンの香りをつけてオーブンで焼き、プルーンのソースと泡立てたクリームを添えます。


粥を使って厚く焼く
島の観光局が紹介する作り方では、米またはセモリナを牛乳で煮て粥にし、少し冷ましてから、卵と砂糖、小麦粉、塩、カルダモンを混ぜます。型に約2センチの厚さに広げ、表面にバターを置いて焼きます。大きな天板で焼くことも多く、茶色に焼き色が付いたら切り分けます。

粥の穀物が生地に厚みを添えるため、フライパンで薄く焼くパンケーキとは違った食べ応えがあります。乾燥プラムを煮たソースにはシナモンを加え、とろみをつける作り方もあります。添える泡立てたクリームは、土地の古い言葉で「スノーモス」と呼ばれました。いまはプルーンの代わりに、ラズベリーやイチゴのジャムを添えることもあります。
米とセモリナのある島の食卓
どちらの粥を使うかは、家庭や地域によって異なります。島の食文化を記録した資料には、スンド、ヴォードー、東サルトヴィークなどで米の粥を使っていたという聞き書きが載っています。その地域にはロシア系の店があり、米の食文化とのつながりを考える説もあれば、船乗りが米を持ち帰ったとする話もあります。
セモリナの方が古いとする説明がある一方、店には米が先に入ったという証言も残っています。どちらも輸入品で、誰もがいつでも買えた材料ではありませんでした。プルーンも輸入される品でしたが、豊作の年には島で採れたプラムを乾かすこともありました。
島では、朝の残りの粥に味をつけ、突然の客のために焼いた料理が始まりだとも伝わります。長旅の客を迎えるとき、一切れのパンケーキと酒を食事の前に供したという話もあります。いまはカフェや食堂で一年を通して食べられ、6月9日の自治記念日にはマリエハムンの広場でも振る舞われます。
隣のゴットランド島で米の粥にサフランを加えるサフランスパンカーカと比べると、カルダモンの香りがこの島の一皿の持ち味です。
用語解説
- セモリナ
- 小麦を粗くひいた粉。牛乳で煮て粥にも使う。
- カルダモン
- 爽やかな香りのある香辛料。北欧の菓子にしばしば用いられる。
- プルーン
- 乾燥させたプラム。







