Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ガトー・クルーゾワ
Gâteau creusois
ガトー・クルーゾワの材料と製法
ケーキ / フランス・クルーズ県

ガトー・クルーゾワ(Gâteau creusois)は、フランス中部クルーズ県のヘーゼルナッツの焼き菓子です。香ばしいナッツとバターを使い、しっとりとした生地に焼き上げます。地元では単に「ル・クルーゾワ」とも呼ばれます。
ヘーゼルナッツと卵白
家庭向けの作り方では、焼いて砕いたヘーゼルナッツに砂糖、小麦粉、泡立てた卵白、溶かしバターを合わせます。炒ったヘーゼルナッツは香りの中心になります。卵白を泡立てると生地に空気が入り、溶かしたバターはこくを添えます。この配合は家庭向けに紹介された一例です。



地元の職人団体に属する菓子職人の中でも、焼き方やヘーゼルナッツの扱いには個性があります。オビュッソンの一軒は、ナッツをよく焙煎し、細かな粒を残して歯ごたえを作ります。表面に薄い焼き皮を付け、内側の柔らかさと対比させるのが、その職人の工夫です。
職人たちが選んだ県の菓子
この菓子には、15世紀の羊皮紙に記された作り方が、クロック近くの古い修道院で発見されたという話が伝わります。菓子は曲がった瓦で焼かれたとも語られます。フランス菓子研究家の大森由紀子は、現地で瓦に入った品を予約して買った経験を記しています。通常は丸い形で売られていたそうです。ニュー=アキテーヌの地域産品紹介は、この羊皮紙の話を伝説としたうえで、1960年代末に菓子職人がその話に着想を得て、クルーゾワを復活させたと説明しています。発見された原文や当時の焼き方を確かめられない以上、現在の菓子と15世紀の菓子が同じ配合だったとは言い切れません。
クロックの自治体は、県の菓子職人組合の会長アンドレ・ラコンブが、各店で作ることができ、保存も利く県の名物を作ろうと考え、同町の菓子職人ロベール・ラングラードのヘーゼルナッツ菓子を選んだと紹介しています。職人たちがそれぞれの店で作る菓子として、県の外にも知られるようになりました。
自治体の広報には、この二人を顕彰する催しで、菓子の試食や子ども向けの菓子作りが行われた記録もあります。現在の「ル・クルーゾワ」は地元の菓子職人たちが扱い、家庭用に公表された作り方とは別に、職人団体が受け継ぐ作り方があります。
用語解説
- アンドレ・ラコンブ
- クルーズ県の菓子職人組合の会長。県の名物菓子を構想した。
- ロベール・ラングラード
- クロックの菓子職人。県の名物として選ばれたヘーゼルナッツ菓子を作った。
- ル・クルーゾワ
- クルーズ県のヘーゼルナッツ菓子の名称。地元の職人による菓子にも用いられる。







