Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ホジツェのトルビチキ
Hořické trubičky
ホジツェのトルビチキの材料と製法
焼き菓子 / チェコ、ホジツェ

ホジツェのトルビチキ(Hořické trubičky)は、チェコのホジツェ周辺で作られる、細く巻いたウエハース菓子です。薄く焼いたウエハースを温めて筒状に巻くため、噛むと重なった薄い層が軽く砕けます。

薄く焼いたウエハースを、温めて手で巻く
チェコ工業所有権庁が公表した仕様では、液状の生地を熱した板で挟んで薄く焼き、一度冷ましてから、熱い台の上で温めて筒状に手で巻きます。材料を巻き込む種類では、1枚半または2枚のウエハースに蜂蜜を混ぜたバターを塗り、砂糖、ヘーゼルナッツ、シナモンなどを散らして巻きます。筒の中にクリームを詰める種類もあります。


ウエハースは厚みが均一ではないため、職人は割れないように力を加減して巻きます。ウエハースを機械で焼く場合も、巻く工程は手作業です。熱い台で手巻きする技術は、ホジツェの製造者が大切にしている仕事の一つです。
料理人がお礼に作り方を伝えたという物語
市が紹介する伝説では、ロシア遠征から戻るナポレオン軍の負傷者をリーチコヴァー夫人が介抱し、ナポレオンの料理人だったというその兵士がお礼に菓子のレシピを伝えました。これは土地に伝わる話で、起源を証明する記録ではありません。
家庭の祝いから工房へ
ホジツェ市が伝えるところでは、リーチコヴァー家の娘はウエハースの焼き型を背負い、町や村の家々を訪ねて菓子を焼いたといいます。後の世代にこの家の一員となった菓子職人カレル・コフラーネクは、製造を事業として広げました。1898年には電気式のウエハース製造器の特許を得たと市は紹介しています。菓子は展示会で賞を受け、国外にも送られました。
この菓子は家庭の祝いの品から商業生産へと広がり、20世紀後半の国有化を経ても、家庭で焼く習慣が残りました。1990年以降には家族の工房の再開や新しい製造者の参入があり、現在も地域の名前と手巻きの技が伝えられています。
用語解説
- カレル・コフラーネク
- ホジツェの菓子職人。ウエハースの製造を事業として広げた人物。
- ウエハース
- 薄い生地を熱した板で挟んで焼く菓子。
- ホジツェ
- チェコ北東部の町。この菓子の名前に使われる。







