Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

モスタッチョーリ
Mostaccioli
モスタッチョーリの材料と製法
焼き菓子 / イタリア・カンパニア州ナポリ

モスタッチョーリ(Mostaccioli)は、イタリア南部ナポリでクリスマスに親しまれる、ひし形の香辛料菓子です。焼いた生地をチョコレートで覆い、割ると甘く香りの強い中身が現れます。ムスタッチュオーリ(Mustacciuoli)とも呼ばれ、菓子店や家庭によって柔らかさや香りが違います。
小麦粉、蜂蜜、アーモンド、ココア、オレンジの皮などを合わせ、ひし形に切って焼く作り方があります。香りを決めるのは、ピストと呼ばれるナポリの混合香辛料です。シナモン、クローブ、ナツメグ、スターアニスなどを合わせますが、その組み合わせは作り手ごとに異なります。焼いた菓子を冷ましてからチョコレートで覆うと、香りのある生地と外側の甘い層が重なります。



カンパニア州の伝統食品には、蜂蜜、粉、水、膨張剤、香辛料を使い、白い糖衣やココアを加えた黒い糖衣をかける作り方もあります。チョコレートを使う菓子店の例と並べると、同じ名前でも表面の仕上げが一つではないことが分かります。ナポリのクリスマスには、ストゥルッフォリなどとともに並びます。
カンパニア州のカローレ・サレルニターノやアルブルニでは、地元の蜂蜜を使う別の菓子にもムスタッチュオーリの名があります。州の紹介する作り方では、オリーブオイルを使って生地を成形し、焼く前にも油を塗ります。結婚式や地域の祝いに供され、色とりどりの小さな糖衣菓子で飾ることもあります。ナポリのひし形の菓子と同じ名前でも、形や仕上げは同一ではありません。
名前はイタリア各地の似た菓子にも使われ、古代ローマのぶどう果汁入りの菓子に結びつける説もあります。一方、口ひげに形を重ねる説明もあります。呼び名の由来には諸説あり、現在のチョコレートをまとった菓子がいつ生まれたかは定かではありません。
用語解説
- ピスト
- ナポリの菓子に使う混合香辛料。シナモンやクローブなどを合わせる。
- ムスタッチュオーリ
- ナポリで用いられるモスタッチョーリの呼び名。







