Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

パナジェッツ
Panellets
パナジェッツの材料と製法
焼き菓子 / スペイン、カタルーニャ

パナジェッツ(Panellets)は、カタルーニャなどで秋のカスタニャーダに食べる小さな菓子です。アーモンドと砂糖を合わせたマジパンを丸め、松の実を一面に付けて焼いたものがよく知られます。刻んだアーモンドやココナツ、コーヒーなどを使うものもあり、色と形を変えて一皿に盛り合わせます。


しっとりした芯と松の実
松の実のパナジェッツは、丸めた生地に卵白をつけ、松の実を押し付けてから焼く作り方があります。卵白が実を生地に留め、オーブンの熱で表面に香ばしい色がつきます。内側にはアーモンドのしっとりした生地、外側には松の実の粒が残ります。

刻んだアーモンドをまとわせたものや、果物を添えたもの、ココナツやコーヒーで風味を変えたものもあります。同じマジパンでも、形や仕上げを変えて、いくつもの種類を作ります。
家庭の配合にも幅があります。スペイン観光局の一例は、ゆでたサツマイモをアーモンド生地に混ぜます。一方、欧州連合は2002年にパナジェッツを伝統的特産品として登録しました。2008年に承認された登録品の仕様では、基本のマジパンにアーモンド、砂糖、卵を使い、サツマイモやジャガイモなどを加えないとされています。家庭で作られる菓子の幅と、一定の条件を満たす登録品の範囲は異なります。
栗とともに迎える秋
カスタニャーダは、諸聖人の日やその翌日の死者の日の頃に、栗やパナジェッツを囲む習慣です。カタルーニャ州の資料によると、18世紀末のバルセロナでは現在の旧市街に栗とパナジェッツの市が立ち、菓子を皿に盛り、模様を作って飾りました。かごに入れた菓子を教会に持ち寄り、祝福を受けて分け合ったという記録も紹介されています。
バルセロナでは、栗とパナジェッツに甘口のワインを添え、家族で秋の食卓を囲んだと市場の紹介に記されています。
菓子を景品にしたくじも、土地の秋の行事として続いてきました。カタルーニャの百科事典は、レウスなどの町で今もパナジェッツのくじが行われると紹介しています。小さな一粒は、栗と一緒に食べる菓子であり、家族や町で分け合う楽しみにもなっています。
用語解説
- マジパン
- アーモンドと砂糖を練り合わせた菓子生地。
- カスタニャーダ
- カタルーニャなどで諸聖人の日の頃に栗や菓子を食べる行事。
- 諸聖人の日
- キリスト教で多くの聖人を記念する11月1日。







