Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

スカリツァのトゥルデルニーク
Skalický trdelník
スカリツァのトゥルデルニークの材料と製法
発酵菓子 / スロバキア、スカリツァ

スカリツァのトゥルデルニーク(Skalický trdelník)は、スロバキア西部スカリツァ周辺で作られる、筒形の焼き菓子です。発酵生地を棒に巻きつけ、回しながら火に当てます。焼き色が付いたら棒を抜き、内側に空洞のある筒形に仕上げます。
棒に巻いて焼く
生地には小麦粉、卵、酵母、牛乳などを使います。発酵させた柔らかな生地を「トゥルドロ」と呼ぶ棒に巻き、泡立てた卵白を塗って刻んだくるみやアーモンドなどを付けます。棒を回し、時折油脂を塗りながら、輻射熱で黄金色に焼きます。棒を抜いた後、バニラ風味の砂糖を振ります。
外側では木の実が香ばしく、内側には柔らかな生地が残ります。菓子の内径は数センチあり、切り分けると中央の空洞と棒に巻いた生地の形が見えます。


町の菓子と守られる名前
19世紀の終わりから20世紀の初めには、祭りの市でも売られるようになったと、地理的表示の登録資料は紹介しています。スカリツァでは現在も菓子の祭りが開かれ、訪れた人が作り手の品を食べ比べたり、自分で焼く体験に参加したりします。
スカリツァの名を冠する製品は、EUの地理的表示として登録されています。製造地域はスカリツァ市内だけでなく、周辺の川や国境で区切られた区域に及びます。似た筒形の菓子は中欧の各地にありますが、この名称は定められた地域と製法に結びついています。
地元には、スカリツァに暮らした伯爵グヴァダーニの料理人からレシピが伝わったという言い伝えもあります。登録資料はこれを口承として紹介し、残された文書には20世紀初めの詩人ユハースの手稿などを挙げています。筒に巻いて焼くこの菓子には、町で受け継がれた話と、後に書き残された記録があります。

用語解説
- グヴァダーニ
- スカリツァに暮らした伯爵。菓子の由来を語る口承に登場する。
- ユハース
- 20世紀初めの手稿が登録資料に挙げられた詩人。
- 地理的表示
- 地域に結びつく食品の名称を、定められた条件のもとで保護する仕組み。
- スカリツァ
- スロバキア西部の町。菓子の名はこの土地を示す。







