Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ジェルボー
Zserbó
ジェルボーの材料と製法
ケーキ / ハンガリー

ジェルボー(Zserbó)は、薄い生地にくるみとあんずジャムを重ね、表面をチョコレートで覆った、ハンガリーの菓子です。細長く切ると、明るい生地と茶色の具が交互に現れます。一切れの中に、果実の酸味、くるみのこく、チョコレートの苦みが重なります。
あんずとくるみを重ねる
薄くのばした生地にあんずジャムを塗り、砂糖を合わせた挽きくるみを散らします。生地を重ねて焼き、冷めた表面にチョコレートをかけます。ジャムは果実の味を加え、くるみを生地に留めながら、層をしっとりとつなぎます。十分に冷ましてから切ると、それぞれの層が見えやすくなります。

ジェルボーの菓子職人の配合を紹介した2013年の資料では、酵母入りの生地を三枚に分け、あんずジャムと砂糖入りの挽きくるみを二層に挟みます。焼いて冷ました菓子を型から取り出して裏返し、上にジャムを薄く塗ってからチョコレートで覆います。


店の名と菓子の記録
名はブダペストの菓子店ジェルボーと結びつきます。店に名を残したスイス出身の菓子職人エミール・ジェルボーが考案したという話もありますが、ハンガリー国立デジタルアーカイブはその話に疑問を示し、料理書に現れる時期はもっと後だと紹介しています。一方、料理史の調査では、1935年の新聞に「ジェルボー・スライス」と題する、あんずジャムとくるみを重ねてチョコレートで覆うレシピが見つかったと紹介されています。戦後の料理書より前にも似た作り方が印刷されていたことになりますが、誰がこの菓子を考案したかは分かっていません。
同じく層を楽しむフロドニでは、りんごやけしの実など別々の具を重ねます。ジェルボーではあんずとくるみが生地の間に繰り返され、チョコレートの表面が全体を覆います。
用語解説
- エミール・ジェルボー
- ブダペストの菓子店で活躍したスイス出身の菓子職人。







