Sweetlore世界のお菓子図鑑(534)

ビビッカン
Bibikkan
ビビッカンの材料と製法
ケーキ / スリランカ

ビビッカン(Bibikkan)は、刻んだココナッツとヤシの糖蜜を使う、スリランカの濃い色のケーキです。ココナッツの粒を残した、しっとりとした生地に、香辛料や木の実を合わせます。ポル・ケーキとも呼ばれ、新年などの祝いの食卓に並びます。

ココナッツを糖蜜で煮る
キトゥルやココナッツの樹液から作る糖蜜は、甘みだけでなく濃い色も生地にもたらします。作り方には幅があり、米粉を使うものも、セモリナや小麦粉を使うものもあります。粉の種類やココナッツの量によって、焼き上がりの生地のきめは変わります。
ある家庭のルセット(材料の配合と作り方)では、糖蜜を温めて削ったココナッツとカルダモン、クローブを混ぜ、少し煮詰めます。デーツを刻んで温かい紅茶に浸し、つぶしてからカシューナッツとともに加えます。冷ましてから卵と粉を混ぜ、型に流して焼きます。熱いまま卵を入れると固まってしまうため、冷ます工程が大切です。焼き上がり近くに糖蜜を塗ると、表面にはつやが生まれます。
別の作り方ではセモリナを軽く炒り、卵白を泡立てて最後に混ぜます。デーツや干しぶどう、しょうがの砂糖漬けなどを加える例もあり、木の実の歯応えと果実の甘さがココナッツの粒に重なります。焼いてすぐ切ると崩れることがあるため、冷ましてから切り分ける作り方もあります。


新年の食卓と似た名前
料理を書くロシャニ・ウィクラマシンハさんは、新年の祝いにこのケーキを焼き、お茶と一緒に出します。家で作るだけでなく、祝いに合わせて店で買う人もいます。しっとりした切り菓子は分けやすく、お茶の時間にも食べられます。
新年の菓子には、同じ糖蜜と米粉を使うキャウムやアルワもあります。キャウムは揚げ、アルワは練って切るのに対し、このルセットのビビッカンはココナッツを多く含む生地を型で焼きます。ポルトガル時代に由来するという説もありますが、その説だけで菓子の成立を確定することはできません。ゴアのベビンカやフィリピンのビビンカにも似た名前がありますが、名前の響きだけで同じ菓子の系譜とは決められません。
用語解説
- キトゥル
- 樹液から糖蜜や砂糖を作るヤシ。
- セモリナ
- 小麦を粗くひいた粉。
- カルダモン
- 種子のさわやかな香りを用いる香辛料。
- クローブ
- 花のつぼみを乾燥させた香辛料。
- ロシャニ・ウィクラマシンハ
- 新年の家庭の料理を紹介する書き手。







